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あえて挑発的に言うが、五輪の聖火リレーは神聖にして犯すべからざるものなのか。世界各国で
北京五輪・聖火リレーへの抗議行動が相次いだことで、単なるプレ・イベントに過ぎない
聖火リレーに注目が集まっている。聖火リレーが初めて行われたのは1936年のベルリン五輪で
ある。発案者はドイツのスポーツ歴史学者だといわれているが、聖火がナチス式の敬礼で
迎えられるシーンなどが報道され、ナチスドイツの政治的プロパガンダに利用された。
以来、五輪前の聖火リレーは定番となったわけだが、発祥の地であるアテネ(2004年)は
いいとして、北京五輪でも前回同様五大陸で大々的に聖火リレーを行う必要はあるのか。
北京五輪でも大げさに聖火リレーを行う理由は二つ。中国政府の国威発揚策の具現化と
「国際・聖火ツアー」という名の行き過ぎた商業化である。世界最高峰のチョモランマにまで
行ってCO2を排出するというのは、これこそ環境破壊の象徴的シーンではないか。
一部に「(妨害行動で)聖火を消すのは問題」との声もあるが、他国の公道で聖火を勝手に
つけたり消したりしているのは青い服を着た中国の“聖火警備隊”だ。彼らが守っているのは
五輪の精神ではなく国家の威信である。
26日、聖火リレーは長野を走る。「中国政府のチベット“弾圧”に抗議する」と言って
ボイコットする気骨のある日本人ランナーはいないのか。「無事、大役が果たせてホッと
しています」なんて言われた日には目もあてられない。(スポーツジャーナリスト)
MSN産経ニュース(2008.4.16 02:50)
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