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・硫化水素を使った自殺が全国で相次いでいる。多くはネットで情報を得たとみられる。
ならば、ネットに自殺予防や相談先の情報を大量に載せ、踏みとどまらせる工夫を考えたい。
硫化水素は、卵の腐ったようなにおいを発する。高濃度の場合は嗅覚が麻痺し、すぐ感じなく
なるので危険だ。一気に中毒症状が出て倒れることもある。
第一の問題は、自殺者がこうした情報をネットで割と簡単に得ていることにある。
一時はやった練炭による自殺に比べ、硫化水素自殺は「苦しまずに死ねる」という記述もある。
だが、うのみにできない。未遂時には重い障害が残る。
ネットにのめりこむ人には、友人がおらず、狭い世界で生きている人が少なくないという。
専門家は、死のうかと、迷っている人がネットで検索した時に、自殺予防の情報が大量に
現れるようにすることを提言する。保健所や「いのちの電話」などの機関が、自殺願望の
心に響く自殺予防サイトをつくってはどうか。電子メールでの相談も充実させたい。
第二の問題は毒性が強いだけに、巻き添えが出やすいことだ。
昨年夏には神奈川県で家族二人が死亡した。今年三月にも岡山市で息子を助けようとした
母親が巻き込まれ、二人とも亡くなった。
現場付近で独特の異臭を感じた人は、近寄らず、消防に通報することが大切だ。
日本の自殺者は九年連続して三万人を超え、政府は昨年、自殺総合対策大綱を閣議
決定した。 自殺率を十年間で二割以上下げる目標を掲げた。
実態解明や人材養成、社会的取り組み、遺族の苦痛を和らげるなど九つの重点施策を
掲げている。
北欧の先進例も見習いたい。フィンランドは国の機関が、関係者とのネットワークづくり
など四十の事業を実施し、自殺率がピーク時より二割減少した。
スウェーデンも医師やカウンセラーの研修などで、男性の自殺率を大幅に下げた。
地域社会で、あるいは私たちの周辺で、何らかの自殺のサインを発している人に気づく
ことが大事だ。その上で精神科医ら専門家の力も借りて、自殺そのものを減らす努力を
重ねよう。(一部略)
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