08/04/13 23:49:56 A7SAfRu80
>>835のつづき
●インフレ引き締めの影響
中国のコンビニエンスストアの物価はすでに日本の半分以上に達する。現地の月収は、都市部では
2万円ほどで、日本の10分の1であるから、その物価の高さがわかる。
中国の消費者物価上昇率は7%近くある。給料の伸びが追いつかず、ホワイトカラーでさえも生活が
できないほど深刻である。このインフレを抑えなければ、格差問題もますます拡大し、デモも増えることが
予想される。政府としては、なんとしてでも政策で効果を出さなければならない。それが中国国内の
消費の活性化につながれば、内需型経済成長に移行もできる。
今年の全人代でも問われたのは「消費者物価上昇率を4.8%前後に抑えるとの目標実現」についてだ。
インフレ抑制のために、今後は徐々に人民元レートの弾力性を拡大していく。また、人民元の上昇は
国内消費や市場の需給状況を反映することが強調された。
人民元は05年7月の約2%の切り上げ以降、昨年末までに累計13.3%上昇、さらに今年に入り
2月末までに2.8%も上昇している。しかし政府は、元高誘導をインフレ防止策の政策手段とすべきでは
ないとし、インフレ抑制策の主たる手段は金融引き締めなどマクロ政策であるべきとの見方を示した。
●北京五輪を機としたバブル崩壊
巨額な資金を投資したインフラの整備、設備投資はすでに終了しており、直接投資も減少している。
過剰な投資に対して、マンションなどでは空き室が目立ち、悪影響が出始めるだろう。さらに不良債権問題など、
ゆがんだ金融構造問題が表面化する。
●人民元切り上げによる収益悪化
個別銘柄に投資している人には「人民元の切り上げ」が直接的に影響を及ぼしている。人民元切り上げにより
人件費が上がり、中国企業は収益が出づらくなった。投資家にとって、中国経済の魅力は失われつつある。
これまで中国株は、株価の推移が他の先進国の株価のように経済に連動しなかった。中国株は政策によって
左右されるからである。ところが、このところ政策でも株価をコントロールできなくなりつつある。 (つづく)