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米軍は出て行け!でも中国軍なら大歓迎の朝日新聞
【社説】 「中国軍艦の日本寄港、歓迎。新たな歴史の第一歩に」「国民レベルでも防衛交流を」…朝日新聞
実現するまでには長い曲折があった。
両国が海自と海軍の艦艇の相互訪問に合意したのは98年。02年春に中国軍艦の訪問が
計画されたものの、小泉首相が靖国神社に参拝し、キャンセルされた。 合意以来、9年もの
年月がかかったわけだ。
関係修復の流れの、いわば象徴のような形である。約350人の乗組員を含め、今回の訪問を
歓迎する。来年は海自の艦艇が訪中する番だ。これを弾みに防衛交流をさらに広げ、両国
関係の安定化につなげてもらいたい。
とはいえ、軍事に関する両国間の不信は、一度や二度の往来でぬぐえるものではない。
結局、交流と対話を重ね、相互の信頼を培っていくしか方法はないのだ。艦船相互訪問は
その一歩である。相手側の実情に触れることが、無用な緊張を解くことになる。
大筋で合意されている当局間のホットラインも早く実現すべきだ。誤解による偶発的な
事件を防げるし、日常的に意思疎通ができるようになればさらに相互理解は進むだろう。
軍事の面での信頼醸成は、アジア全体の安定にも好影響を及ぼす。中国は積極的に
国連の平和維持活動に参加しているが、要員の訓練などで日中が交流しアジア諸国
にも広げていくことを考えたい。
もう一つ望むのは、防衛交流を一般にも開いていくことだ。
例えば、日本の研究者やメディアが中国軍を見学したり、取材したりする機会を増やす。
国民レベルで少しでも理解が進めば、それだけ的はずれな推測は減ってくる。
歴史好きの人なら、中国の軍艦と聞けば「定遠」「鎮遠」といった名前を思い出すに違いない。
明治時代に日本の港を訪れ、その威容が日本人を驚かせた。 日本はこれに負けじと海軍力
強化に突き進み、後年、日清戦争でぶつかることになる。
もちろん、いま求められるのは軍拡競争ではなくて、平和のための協力だ。「深セン」の
名前がそのスタートとして歴史に刻まれるよう努力していきたい。(一部略)
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