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悲惨事件審理、裁判員に「心のケア」…最高裁が方針
来年5月に始まる裁判員制度に向け、最高裁は、悲惨な事件の審理を担当した裁判員の
「心のケア」を行うため、24時間体制の無料の電話相談窓口を開設する方針を決めた。
殺人事件などの審理で、遺体の写真などを見て精神的なショックを受けた裁判員のケアが
大きな課題となっていた。最高裁は「いざという時の相談先を確保することで、裁判に参加する
市民の不安を軽くしたい」としている。
裁判員裁判の対象となるのは、殺人や強盗致死などの重大事件。刑事裁判では、検察側の
冒頭陳述や被害者の証人尋問などで、残忍な犯行場面が再現されたり、遺体の解剖写真や
傷口の写真が証拠として示されたりすることがある。
こうした事件を審理する裁判員の中には、ショックを受けて精神的な変調を訴える人が出てくる
ことも考えられる。実際、模擬裁判に協力した企業からは「社員が心的外傷後ストレス障害
(PTSD)になって職場復帰できなくなるような心配はないか」といった不安の声も上がっていた。
最高裁は、裁判員の「心のケア」の問題に備え、市民が刑事裁判に参加する欧米各国の取り組みを
調査。市民から選ばれた陪審員が有罪・無罪を決める陪審制のオーストラリア・ニューサウス
ウェールズ州の取り組みをモデルに、電話相談窓口の設置を決めた。同州では「自分の評決に
疑問が出てきた」など、裁判にかかわる幅広い不安の声を受け付け、心理カウンセラーの紹介を
行っている。
最高裁は、企業などを対象に心理カウンセリングの電話相談サービスを行っている民間の
カウンセリング機関に窓口の設置を委託し、裁判員が裁判でショックを受けたり、不安を
感じたりした場合は、いつでも電話相談ができ、経験豊かなカウンセラーからアドバイスを
受けられるようにする。電話相談で問題が解消されなければ、臨床心理士や医療機関を紹介し、
予約も行うという。
(2008年4月13日03時07分 読売新聞)
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