08/04/13 10:07:46 0
>>4ぐらいからの続き
野口 中国は最初、チベット人が店舗を壊し、物品を略奪する映像を外部に流しました。
予備知識なしであの映像に出合えば、おなかをすかせた農民一揆のように見える。
それに対して「正当防衛で撃った」というんです。「双方」という言葉を使った時点で、
中国に加担していることになる。
じつは登山家は皆、現状をよく知っているんです。チベットと登山家の縁は深く、チベット人に
対する思いも同じ。問題は、その思いを公の場でいうか、それともいわないか。僕がチベットに
ついて自分のブログやホームページに書いたときも、「よく書いたな。おまえはもうチベット側から
登れないぞ」といわれました。実際にそうだと思います。僕の最終目標はエベレストをチベット
側から登ってネパール側に降りることでしたが、それが失われてしまった。登山家の多くが
自身の欲望のために発言を控えるのは、ある意味、当然のことでしょう。しかし、僕はその
欲望と、現場を知ってしまった人間の思いのどちらを優先すべきか、自分に聞いたんです。
そして、やはり後者を優先すべき、という答えが出た。いま発言しなければ、そのために僕は
十字架を背負うことになるんです。オリンピック選手にしても同じですが、しかし登山家とは違い、
彼らは現役年齢が限られている。4年に1度のチャンスを奪うのはきわめて酷な話です。彼らが
発言できないならば、代わりに政治家がいえばいいのに、日本はそうしない。メディアも一緒です。
騒乱が起こる前ですが、ある新聞の取材で「もうすぐチベットで大変なことが起きる、そう書いて
ください」といいました。しかし「オリンピックの取材許可が下りなくなるから、無理です」と
返された。事態はそこまで進んでいるのか、と愕然としましたね。しかし、本当に日本人は
チベット問題に関心がない。一昨年、アメリカのボルダーという町に行きましたが、至るところで
「フリー・チベット」という看板を見掛けました。本屋にもチベットの旗がはためいていた。
日本でそんな光景に出合うことはないでしょう。(後略)
〈了〉
※インタビューはまだまだ続きます。内容についてもかなり省略しましたので、
全文ご覧になりたい方はソース元でご確認下さい。