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ヒトiPS細胞、バイエルが先に作製…特許も出願か
外資系製薬会社のバイエル薬品(大阪市)が2007年春に、様々な臓器や組織に変化する、
人の新型万能細胞(iPS細胞)の作製に成功していたことがわかった。
京都大の山中伸弥教授が作製に成功した時期よりも早く、すでに特許出願しているとみられる。
バイエルが特許を日本で取得した場合、その内容次第では医療への応用で影響を受ける恐れがある。
作製したのは、07年12月に閉鎖されたバイエル薬品神戸リサーチセンター(神戸市)の
桜田一洋センター長(当時)ら。06年8月、山中教授によるマウスでのiPS細胞の
作製発表を受けて、その直後に人のiPS細胞づくりに着手した。
今年1月にオランダの科学誌「ステム・セル・リサーチ」(電子版)に掲載された論文や
桜田さんによると、新生児の皮膚細胞に、山中教授の初期の手法と同じ四つの遺伝子を
組み込んでiPS細胞を作製。遺伝子の導入に使うウイルスが1種類異なっていた。
作製日時や特許出願については「バイエルとの秘密保持契約があり、明らかにできない」と
している。しかし、センターの実質的な研究が07年10月中に終わったことやiPS細胞の
培養を約200日していることなどから、山中教授に先行しているとみられる。
一般に外国の企業が医療関連の特許をとると、医療費が割高になることが多い。山中教授が
マウスで基本特許を取得しても、人のiPS細胞の作製や臓器に変化させる方法など応用面で
特許を押さえられると、日本の医療に影響が出る恐れがある。
(2008年4月11日12時02分 読売新聞)
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