08/04/07 15:56:18 0
私たちはあくまでも宗教者、仏教者として僧侶をはじめとするチベット人の苦しみを,
もはや黙って見過ごすことができません。
チベット仏教の宗教的伝統をチベット人の自由な意志で守るということが大切な基本です。
みなさんは、日本の全国のお坊さんがどうしているのかとお思いでしょう。
日本の各宗派、教団は日中国交回復の後中国各地でご縁のある寺院と復興に力を注いできました。
私も中国の寺院の復興に携わりました。
しかし、中国の寺院との交流はすべて北京を通さずにはできません。
ほとんど自由はなかった。 これからもそうだと、全国の日本の僧侶は知っています。
そして、日本の仏教教団がダライ・ラマ法王と交流する事を北京が不快に思うこともよく知られています。
あくまでも、宗教の自由の問題こそ重大であると私は考えています。
しかし、チベットの事件以来3週間あまりが過ぎてなお、日本の仏教界に目立った行動はみられません。
中国仏教界が大切な友人であるなら、どうして何も言わない、しないでいいのでしょうか。
ダライ・ラマ法王を中心に仏教国としての歴史を重ねてきたチベットが今、無くなろうとしています。
私たちは宗教者・仏教者として草の根から声を上げていかなければいけません。
しかし、私の所属する宗派が中国の仏教界関係者から抗議を受けて 私がお叱りを受ける可能性が高いでしょう。
このように申し上げるのは、私たちと行動を共にしましょうということではないのです。
それぞれのご住職、檀家信徒のみなさんがこれをきっかけに自ら考えていただきたいのです。
オリンピックに合わせて中国の交流のある寺院に参拝予定の僧侶もいらっしゃることでしょう。
この情勢のなか、中国でどんなお話をされるのでしょう。
もしも宗教者として毅然とした態度で臨めないならば私たちはこれから、 信者さん檀家さんに
どのようなことを説いていけるのでしょうか。
私たちにとってこれが宗教者・仏教者であるための最後の機会かもしれません。
書写山圓教寺 大樹 玄承 執事長 平成20年4月5日
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