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iPS細胞:難病患者皮膚から作成 米ハーバード大が成功
さまざまな細胞や組織になる能力を持つ「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」の技術を使い、米ハーバード大幹細胞研究所が、
難病に苦しむ患者から皮膚の提供を受け、患者自身のiPS細胞作成に成功したことが明らかになった。同研究所は神経疾患や
糖尿病、肥満症など、さまざまな病気の患者から細胞の提供を受け、実際の治療に向けた研究に活用するiPS細胞の
「データベース」作りを検討している。
成功したのは、同大のチャド・コーワン准教授らのチーム。遺伝子異常によって重度の高尿酸血症などを起こす
「レッシュ・ナイハン症候群」という難病の患者1人から提供を受けたという。
コーワン准教授らは今後、心臓病や糖尿病を合併している肥満症患者、他の病気を持っていないとみられる肥満症患者ら、
さまざまなタイプの患者から皮膚細胞の提供を受ける予定という。コーワン准教授は「今後5年間で、数百人から細胞提供を
受けたい」と話している。
同研究所は主に患者のiPS細胞を、病気が起きる仕組みの解明や新薬開発に利用することを目指している。
地域の病院を通じ、患者に提供を呼び掛けている。
日本では3月、iPS細胞の生みの親である山中伸弥・京都大教授らが、筋ジストロフィーや糖尿病など十数種類の病気について、
患者の細胞を使ったiPS細胞作成を目指す研究計画を倫理委員会へ申請する方針を明らかにしている。【永山悦子】
◇ことば 人工多能性幹細胞(iPS細胞)
体のさまざまな部位の細胞になる能力を持つ人工の幹細胞。従来の万能細胞「胚(はい)性幹細胞(ES細胞)」は受精卵を
壊して作るため倫理的問題があった。
iPS細胞は、患者本人の細胞から作れるため、患者と同じ遺伝情報を持つ。拒絶反応のない臓器や組織を作り病気やけがの
治療に使う再生医療や、病気の仕組みの解明、新薬の探索に役立つと期待されている。
ソース URLリンク(mainichi.jp)