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★潮流:不信解く思いやりの心=中国総局長・堀信一郎
・胡主席の5月の訪日に向けて、中国指導部が、要所要所で日本への配慮を見せている。
中国製ギョーザ事件による「日中不信の構図」を解きほぐそうという狙いがある。
例えば、北京で開かれた「日中青少年友好交流年」開幕式。北京では全国人民代表大会が
開催中で、通常、期間中は海外からの要人を受け入れない。共産党トップが、全人代以外の
行事に出席することはない。だが、胡主席は「新日中友好21世紀委員会」の小林陽太郎
座長らと会談した。
もともと、この行事は温家宝首相が対応する予定だったが、16日に首相再任選挙が控えて
おり、どうしても出席できなくなった。このため、国家主席に再任されたばかりの胡氏自らが
青少年行事に参加するという「格上げ」の対応をし、日本側を喜ばせた。
胡主席は84年に日本の青少年訪中団3000人受け入れを担当した経験があり、「友好は
青少年から」という信念がある。今回も日本の青少年ら約1000人と会い、将来を託した。
若者が隣国の文化に触れるのは貴重な経験になる。中国側の受け入れを担当した共産党幹部に
よると「食の安全に敏感になっている時期なので神経を使った。日本の青少年たちが中国に来て、
おなかを壊したら大変だ。辛い料理は刺激が強いので、食べさせるなと指示した」と打ち明けた。
本来なら、激辛の四川マーボー豆腐で「熱烈歓迎」したいところだろうが、「日本に合わせた」という。
ギョーザ事件は真相が解明されていないが、中国公安省幹部によると、日本の警察当局に
メンツをつぶされたという。日本側も中国公安省への信頼が揺らいでいると聞く。
今後も協力して捜査を進めるという点では日中両国は一致しており、決定的な対立は避けられると
思う。ただ、胡主席訪日の準備を進める外務省にとっても「ギョーザ事件をきっかけに日中間の
雰囲気を悪くしたのは日本ではない。中国だ」というのがホンネであり、救いようがない。こんな時は、
相手を思いやり、誤解を一つ一つ解いていくしかない。(一部略)
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