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・卒業式で「君が代」が斉唱される約1分間の不起立を理由に今春、一人の東京都立校教師が
学校から追われようとしている。卒業・入学式で国旗掲揚・国歌斉唱を実施するようにとの指導が
強まり、反対してきた教師が次々に起立・斉唱に転ずるなか、この教師は、自らの良心に従って
不起立を貫いてきた。その姿は、周囲をうかがい迎合するのではなく、勇気を持って行動する
ことの大切さを教えているようにも見える。この静かな不服従に東京都教育委員会が免職や
停職処分で臨むことは、はたして適切な教育行政なのだろうか。
教師の名は根津公子さん(57)。都内の公立中で家庭科を教え、平和教育にも取り組んできた。
昨春から都立南大沢学園養護学校で勤務している。
根津さんは不起立の理由を「『自分の頭で考えて、おかしいと思ったら、やらない。正しいと
思うことだったら、一人でも行動すべきだ』と生徒たちに語ってきた自分の教育に反してしまうから」
と説明する。
根津さんの不起立に対する都教委の処分は、05年3月の卒業式で減給10分の1.6カ月
▽同年4月の入学式で停職1カ月▽06年3月の卒業式で停職3カ月▽07年3月の卒業式で
停職6カ月--と加重されてきた。停職6カ月より重い処分は免職しかないため、24日の
卒業式でも起立しなかった根津さんへの免職処分が懸念されているのだ。
卒業・入学式での日の丸掲揚や君が代斉唱は、99年の「国旗・国歌法」成立以降、文部科学省の
強い指導もあって、全国的に実施されるようになった。それでも反対はあり、文科省によると
06年度に不起立やピアノ伴奏の拒否など国旗・国歌を巡り処分された教職員は全国で98人に
のぼる。しかし、教育現場からの排除を意味する停職処分を出しているのは東京都だけだ。
国旗・国歌法成立時の官房長官だった野中広務・元自民党幹事長も「東京の処分は間違い。
私は答弁で、人の内心まで入ってはいけないと言った」と批判する。
不起立は、根津さん個人の思いに基づく行動だ。(>>2-10につづく)
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