08/03/26 11:23:39 0
(続き)
経営委員会では、NHK副会長が「NHKの国際放送では日本の立場を直接主張することはない」
と反論した。委員長代行も「日本政府の立場だけ出すのでは国営放送になってしまう」と述べた。
いずれもメディアや公共放送のあるべき姿を踏まえての発言である。
古森氏の発言がいかに報道機関のあり方からはずれているかを示している。
もうひとつ古森氏の発言で気になるのは、「国益」という言葉の使い方だ。
私たちも日本の国益は大切だと思う。しかし、何が日本の国民にとっての利益になるかは、
幅広い論議と慎重な吟味が必要だ。政府と異なる考えが国益にかなうこともある。
政府の見解を放送すれば国益にかなうと古森氏が考えているとしたら、
あまりに短絡的だといわざるをえない。
古森氏はこれまでも経営委員会で「選挙期間中の放送については、歴史ものなど
微妙な政治的問題に結びつく可能性もあるため、いつも以上にご注意願いたい」と、
番組への政治的な介入ととられかねない発言をしている。
国会に予算承認権を握られているNHKは、政治との距離が絶えず問題となってきた。
国際放送とはいえ、国の宣伝機関になるような言い方をすれば、公共放送としての役割はどうなるのか。
NHKの経営トップとして適任なのか、ますます疑わざるをえない。 (記事終)