08/03/22 19:27:18 0
この春から、新聞業界が半世紀ぶりの紙面改革に乗り出す。
「高齢化する新聞読者でも十分読んでもらえるよう、活字を20パーセント拡大するんです。
その文字を収容するスペースづくりのため各段の間隔を広げることになり、1ページを従来の15段組み
(読売新聞は14段組み)から12段組みに変えるという、戦後初の試みに着手するんです」(新聞社社員)
たとえば、2月15日の読売新聞の社告を見ると、現在の文字より横に7%、縦に16%拡大するという。
これにより、新聞文字は正方形に近づき、文字の線も太くなるそうだ。社告に登場した俳優・橋爪功が
「大きい活字を読むと、字が目に飛び込んでくる」とさわやかにコメントしているのが印象的だ。
しかし、喜んでばかりはいられない深刻な事情がある。あるブロック紙の幹部は「この変更は、
輪転機をはじめ、印刷システムへの多額の投資を伴います。この結果、資金力のある大手紙主導
による業界再編すら、余儀なくされそうなんです」と警告しているのだ。
事の発端は、年末から年始にかけて起きている。ブロック紙や地方紙などの各地の新聞社の社長あてに、
読売新聞グループ本社の内山斉社長名で、一枚の通知書が送り付けられたのだ。「前略 取り急ぎ用件
のみ、ご連絡いたします」と唐突な書き出し。続けて、朝日新聞、日経新聞と共に紙面研究をした結果、
3社とも12段化を実施することにしたので御社でも12段化を検討してほしい、という実に強引な内容だ。
「降ってわいたような通知に、地方紙の経営者たちの間に衝撃が走りました。理由は2つ。読売、朝日、
日経という大手紙に読みやすい紙面づくりを先行されたら、シェアを食われてしまうに違いないこと。
そして、紙面構成が12段へと変わると、15段の新聞社は広告がもらえなくなるかもしれないからなんです」(前出・ブロック紙幹部)
特に深刻なのは、広告の問題。新聞紙面に組み込む広告は、サイズによって広告費が決められている。
広告代理店はこれまで、15段に合わせたサイズで広告枠を販売してきたが、もし12段の新聞が増えてくれば、
広告代理店も12段に合った新規格での販売に一本化してしまうかもしれない。
(続きます)