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多額の累積赤字を抱え、東京都に四百億円の追加出資を要請している
新銀行東京が二〇〇六年、宇都宮市の食肉卸業者に対し、牛肉偽装が
発覚した翌日に五千万円を無担保で融資していたことが二十日、分かった。
同行の当時の役員が持ち込んだ案件とされ、この元役員は担当者に
「はんこを押すだけでいい」などと融資の実行を迫っていたという。
融資の九割は結果的に回収不能の状態になっており、
不透明な審査の一端が明るみに出た。
東京新聞の調べや関係者によると、この業者は栃木県内の食肉卸トップクラスに
成長したが、〇六年六月二十六日、交雑牛などの食肉を黒毛和牛と
偽装して販売していたことが表面化。新銀行が五千万円を融資したのは、
翌二十七日だった。
業者は同三十日、農林水産省から牛肉トレーサビリティー法違反（不適正表示）で
是正を勧告された。その後も保健所から営業停止処分を受けるなどして
経営が行き詰まり、〇七年三月に事実上倒産した。新銀行からの融資も
〇六年十二月から返済が滞り、約四千五百万円が回収不能という。
民間信用調査会社によると、業者は都内に事業所はない。新銀行関係者は
「元役員が持ち込んだ融資案件。担当者は書類を見る間もなく『はんこを押せ』
などと指示された」としている。
業者の元経理担当者は「資金繰りが苦しく、どこからも支援が受けられない
状況だった。よく覚えていないが、社長か誰かの知人に（新銀行を）
紹介してもらった。世話になったのに迷惑をかけられないと、少しは
返済したはず」と説明。グループ会社の元幹部は「あの時期に、何で（新銀行が）
貸したのかなと思った」と話す。
民間信用調査会社は「（偽装発覚で）経営が行き詰まるのは明らか。
(後略)
*+*+ 東京新聞 2008/03/21[**:**] +*+*
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