08/03/18 20:26:27 URbJimIp0
危険性
医薬品にも使用されていたことからわかるように、カルバミン酸エチルはヒトに対する急性毒性を持たない。
急性毒性試験によって、ラット、マウス、ウサギにおける最低致死量は 1.2 g/kg 以上であることが示されている。
医薬品として使用された際には約 50% の患者に悪心と嘔吐が見られ、長期間にわたる使用では消化管出血が起こった。
ラット、マウス、ハムスターでの経口、注射、皮膚への塗布による投与を行うとがんの発生の原因となることが示されているが、
ヒトへの発がん性の有無は報告されていない。IARC はカルバミン酸エチルをグループ 2A (おそらくヒトに対する発癌性がある)に指定している。
CERCLA (Comprehensive Environmental Response, Compensation, and Liability Act) での RQ 値は 100 lb である。
食料品中の含有量
1984年以降の研究により、アルコール飲料中に痕跡量(15 ppb から 12 ppm)のカルバミン酸エチルが含まれていることが
明らかにされてきた[1]。その後の研究では、醗酵によって作られる他の食料品や飲料にも痕跡量含まれることが示されている。
例えば、パンには 2 ppb[2]、醤油には 20 ppb[3] 程度含まれる。カルバミン酸エチルはエタノール(アルコール)と尿素の反応によって生成することがわかっている。
C2H5OH + (H2N)C=O → H2NC(=O)OC2H5 + NH3
この反応は高温ではより速く進行するため、デザートワイン、フルーツブランデー、ウイスキーなど、製造過程で加熱が行われる飲料からは
より高濃度のカルバミン酸エチルが検出される。ワイン中では、尿素は酵母などの微生物によってアルギニンやシトルリンが代謝されることで
生成する。この過程を完全に防止することはできないが、ぶどうの木への施肥の調整、過熱を極力抑えることなどで最小にとどめることができる[4]。
微量のカルバミン酸メチルもワインから検出されている。1988年、ワインなどのアルコール飲料の製造者たちは、アルコール飲料中に含まれる
カルバミン酸エチルをワインでは 15 ppb 未満、より強い酒類では 125 ppb 未満に抑えることに合意した[1]。
カルバミン酸エチル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
URLリンク(ja.wikipedia.org)