08/03/16 19:31:03 Y2Rgase30
■斉藤環(臨床精神科医)
「日本では漫画やアニメの大衆的人気は極めて高く、その表現には性的要素がふんだんに取り入れられている。
一方アメリカでは、1957年にマンガに対する自主規制が制定され、マンガの性的表現は完全に封じられた。
しかし、2000年度中に日本で被害者が少年の刑法犯罪のうち、性犯罪、強姦、強制わいせつの被害は5608件
であるのに対し、アメリカでは毎年32万5000人の児童が性的虐待の被害を受けているという。つまり、性的な表現を
多く含むマンガ、アニメ文化を大量消費している日本の方が性表現に厳しい規制を持つアメリカに比べて圧倒的に
児童の性的虐待が少ないのである。 また、浮世絵などの伝統的な文化においても、アニメやマンガなどの
現代文化においても、日本の表現空間では、「リアルな虚構」の存在が可能であり、それは現実を担保にする
必要がない。このような表現は純粋なフィクションとして消費され、日常の性生活に影響を及ぼすことが
ほとんどない。その典型的な事例が「やおい」と呼ばれる、
その大半を女性によって構成されるファンの集団である。彼女たちが愛好するのは女性が登場しない男性同士の
ホモセクシャルな性愛関係の物語であるが、日常では男性の夫や恋人がいてヘテロセクシュアルな関係を持っている。
以上のことから、日本におけるマンガ、アニメ表現が現実に影響することは極めて少ないといえよう」