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クリストバル・コロン(英語名クリストファー・コロンブス)がアメリカ大陸に
到達(実際は大陸ではなく西インド諸島の一つに到達しただけなのだが)
してから508年。アメリカ大陸の先住民にとっては地獄のような500年であった。
かつて幾多の文明、王朝が覇を競ったメキシコ中央高原、ユカタン半島、
南米アンデス高原。このうちユカタンのマヤ文明はスペイン人の到来以前に
自壊していたが、残る二つ、メキシコ中央高地のアステカ帝国とアンデスの
インカ帝国は、ともにスペイン人のやってきたその瞬間、繁栄のただなかにあった。
しかし、スペイン人の到達とともに、先住民文明の繁栄は終わりを告げた。
それらの文明を相次いで滅ぼされ、幾多のアメリカ先住民が虐殺されていった。
スペイン人の所業については、バルトロメー・デ・ラス・カサスの「インディアスの
破壊についての簡潔な報告」(日本版は岩波文庫と現代企画室より発行、
現代企画室版のタイトルは「インディアスの破壊を弾劾する簡略なる陳述」)に詳しい。
ラス・カサスは、植民地時代初期の人だが、彼が糾弾したアメリカ先住民に対する
虐殺は、決して征服時代だけの蛮行ではなく、植民地時代だけの蛮行ですらない。
アメリカ大陸諸国が独立を成し遂げた後も、今世紀、否現在まで続けられてきた
「民族浄化作戦」なのである。中でも西インド諸島と南部パタゴニアでは、
地域全体でほとんどの民族が丸ごと滅亡の憂き目を見た。