08/03/14 11:34:51 0
・中国の胡錦濤国家主席が5月のゴールデンウイーク明けに来日する。98年の江沢民
主席以来だ。10年ぶりの訪問を心から歓迎したいと思う。
しかし、ギョーザ中毒事件が主席の訪日に暗い影を投げかけている。
日本から見ると、中毒事件をめぐる中国側のこれまでの対応には不満に感じる点が
少なくない。中国の捜査当局が「中国で農薬が混入した可能性はきわめて低い」と発表した。
日本は逆に「国内で混入した可能性は低い」とみていたから、「中国はこのまま捜査から
手を引いてしまうのか」と懸念する声が広がったのも無理はない。
外交当局同士は、この問題と訪日を絡めたくないと考えているようだ。確かに、この事件
だけで両国の関係全体が損なわれることは避けなければなるまい。
中国は経済的にも軍事的にも急速に台頭しつつある。そんな隣国と日本がどう向き合って
いくのか。国際社会の様々な問題を解決するため、両国間でどんな協力ができるのか。
ようやく軌道に乗り始めた首脳同士の意見交換は極めて大切だからだ。
といって「日中関係とギョーザは別」と割り切ることもできない。中国当局はあいまいな
まま幕を引こうとしているのではないか。日本側は中国側の誠意を疑っているのだ。
大事なことは、解決の道筋を見いだそうとする双方の努力だ。
中国にしてみれば、捜査が先行した日本が先に、中国での混入をうかがわせるような見解を
示したことで、メンツをつぶされたと感じたのかもしれない。だが、万一それで捜査を投げ
出すようなことがあっては、中国にとってもマイナスが大きすぎる。
現在の日中関係には東アジアにおける主導権争いの側面もある。ちょっとしたことが
ナショナリズムに火を付ける。下手をすれば、日本の中にある反中感情を刺激して
小泉元首相の靖国参拝のときのような負のスパイラルに陥りかねない。
幸い中国側は捜査員らを再度、日本に派遣する意向を示している。できるだけ早く両国の
捜査担当者が顔を合わせて会議を開くことだ。
せっかく立て直した日中関係だ。主席来日を念頭に、中国にも真剣な捜査を求めたい。(一部略)
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