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>>301
◇平成20年歌会始お題「火」
御製(天皇陛下のお歌)
炬火台に火は燃え盛り彼方なる林は秋の色を帯び初む
皇后陛下御歌
灯火(ひ)を振れば彼方の明かり共に揺れ旅行(ゆ)くひと日夜(よる)に入りゆく
皇太子殿下お歌
蒼(あを)き水たたふる阿蘇の火口より噴煙はのぼる身にひびきつつ
皇太子妃殿下お歌
ともさるる燭の火六つ願ひこめ吹きて幼なの笑みひろがれり
文仁親王殿下お歌
囲炉裏の火見つつ話を聞くときに心ときめく古老らの智に
文仁親王妃紀子殿下お歌
夕闇にかがり火あかくてらしたる鵜匠は手縄かろらかにひく
正仁親王殿下お歌
新嘗の篝火の火は赤や黄となりてとびちり闇を照らしぬ
正仁親王妃華子殿下お歌
しづもれる宮居の杜の夕つ方かがり火たきて御(み)祭をまつ
崇仁親王妃百合子殿下お歌
萌えいづるものをたのみて山やきの火はたちまちにひろごりてゆく
憲仁親王妃久子殿下お歌
暮れそめし賢所(かしこどころ)の大前に衛士の焚く火の清らかに燃ゆ