08/03/14 17:27:58 p/pwq8/L0
飼い犬が死んだときのショックは凄まじい。
家の犬は妹弟が飼うと言いだして飼い始めたが、妹たちは当然世話をしなくなっていった。
それじゃあまりにかわいそうなので、俺が土日は散歩させるようにした。
平日は電車が一時間に1~2本、しかも片道45分+乗り換えでさらに一駅、
そこから学校まで20分自転車というどいなかにすんでいたため無理だった。
大学に進学後も、家に規制したときは洗ったりブラシをかけたり散歩させたりした。
別段その犬が好きなわけでもなく、ただ勝手な飼い主のエゴで飼われた上に
鎖で繋がれっぱなしでは余りにひどいだろうという、これもある意味エゴで対応していた。
この犬は鎖を外して逃亡するくせに、夜にはかならず犬小屋に帰ってきていた。
それが不思議で、逃げるなら逃げ切ればいいのにと思っていた。
ある日そいつが懲りずに抜け出し、車にはねられた。
親が見つけて病院に連れていき、もう助からないと言われて麻酔をうってもらって帰ってきた。
そのとき、死ぬまで俺が体を撫でていたんだけど、いつも通りこちらの手を舐めてこちらをじーっと見てるんだよな。
真っ黒な目でさ。
元気なときのように二本脚で飛び上がって、こちらの顔を舐めまくるまでは出来なかったが、いつもみたいに目を細めてみてるんだよ。
そのとき後悔したな。
飼う前にもっと強く反対すべきだったって。
もっとしっかり命を預かるという重さを弟妹たちに分からせて、止めさせておくべきだった。
家に来なければ、こいつはこんなひどい目に遭うことはなかった。
最期を看取るのが飼うことに反対したやつなんかじゃなく、ちゃんとした飼い主なら寿命で穏やかに見送られるはずだった。
とりあえず今でも犬は好きだ。
でも一人暮らしだから、ちゃんとそばにいて、しっかりしつけして、愛情を注げないから、飼わない。
飼いたいけど、それは自分のエゴだから飼わない。多分一生犬は飼わないと思う。