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★地上げ事件:スルガ社、「プロ」との闇のタッグで急成長
あの日が事件の始まりだった。
JR横浜駅に近いビル街にある東証2部上場の不動産会社「スルガコーポレーション」役員室。
03年6月ごろ、男はドアを開けるなり「偽の売買契約書が必要だ」と声を荒らげた。
それが、弁護士法違反容疑で今回逮捕された「光誉実業」社長、朝治博容疑者(59)だった。
役員たちはその風ぼうから「堅気じゃないな」と不安を感じた。
それでも、岩田一雄社長兼会長(69)=4日社長辞任=は、光誉に交渉を任せた。
当時、スルガ社は東京・有楽町の中古ビル(9階建て)を購入し、立ち退き問題を抱えていた。
交渉が進まず借入金の金利負担が増し経営を圧迫していた。
取引先の不動産業者に頼み込んで、「地上げのプロ」と朝治容疑者を紹介されていた。
スルガ社は72年、一戸建ての建築会社として出発した。
しかし、岩田社長は95年、業界紙に「工事の請負だけで高収益を確保するのは無理だ」と嘆いている。
その後、目をつけたのが、都心のビルを購入しテナントを立ち退かせた後に転売するという
「不動産ソリューション事業」だった。指定暴力団山口組系組幹部との交際をバックに立ち退きを迫る
朝治容疑者は、うってつけの人材といえた。
両者が初めて手を組んだのは03年8月。
東京・渋谷のファッションビル「SHIBUYA109」に隣接する築40年のテナントビル(13階建て)の地上げだった。
光誉の名刺を持った男がテナントを一軒一軒訪ね、光誉がスルガ社から所有権を譲り受けたよう
に見せかけた偽の売買契約書を手にすごんだ。「うちが全部やるんだ。早く出て行ってくれ」。
このビルは1年8カ月後に取り壊され、スルガ社は転売で億単位の利益をあげた。(>>2-5に続く)
毎日新聞 URLリンク(mainichi.jp)
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