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・「娘の意識がない!」。妻の悲痛な叫びを電話で聞いた定年間近の救急隊長が、救急車で
管轄外の自宅に向かい、娘を病院に搬送した。当直指令の許可は受けていたが、消防本部は
職務規定違反とし、免職に次いで重い停職6カ月の懲戒処分を下した。この判断をめぐり
市当局には賛否両論多数の意見が寄せられ、インターネット上でも激しい議論が続いている。
神奈川県藤沢市消防本部によると、南消防署苅田出張所所属の救急隊長(59)は先月19日夕、
約3キロ離れた隣接する茅ケ崎市の自宅の妻から、持病を持つ20代の二女の急変を知らされた。
当直主幹の許可を得て、隊員2人を乗せサイレンを鳴らし自宅へ急行。約3分で到着し、意識が
なくなった二女を搬送、10分後に病院に到着した。所属救急車は1台だったが、6時35分に
出張所へ戻るまで出動指令はなかった。
この行為に市消防本部は、地方公務員法の「法令等および上司の職務上の命令に従う義務」
違反、「信用失墜行為」に該当すると判断。市の懲戒規定に従い隊長を停職6カ月(実際は
3月末退職までの42日)、許可した主幹を戒告とした。だが、これに普段は公務員の不祥事に
厳しいネットユーザーが反応した。
「他の救急要請をほったらかしにしたのなら非難もあるだろうが、これは家族でなくとも出動すべき
事例だ」「自分がその立場に置かれたらどうするかを考えろ」「厳重注意のうえ罰則は仕方ないが、
定年間近に6月の停職は重すぎ」
逆に、「1台しかない救急車を私的利用。同僚も公務を放棄して同乗し、管轄外の地区に出向いた。
処分は当然」「普通に119番した方がどう考えても早い。プロ中のプロが娘のみならず、
藤沢市民をも命の危険にさらしたという、希に見る不祥事」と処分容認派も登場、議論はいまも
続いている。藤沢市にも、同様の意見が多数寄せられているという。(>>2-10につづく)
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