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北京オリンピック出場が期待された日体大水泳部の男子学生がおととし、トレーニング中に死亡しました。
学生の両親は「真実を知りたい」として28日、大学側を相手取りおよそ9500万円の賠償を求め提訴します。
命日の前日、息子が眠るお墓を訪れる両親の姿がありました。東大阪市に住む宮嶋猛さん(59)、まりこさん(53)です。
息子の武広さん(当時20)。日体大水泳部に所属。日本選手権で2位になり、北京オリンピック出場も期待されていました。
武広さんはおととし、標高1900メートルの中国・昆明での日体大水泳部の高地トレーニングに参加しました。
しかし・・・。
「『武広死んじゃったんですよ』だけでしたから、はっきりいって何を言っているのかわからないという・・・」(母親・まりこさん)
50メートルを潜水した直後、武広さんは痙攣を起こし、死亡したのです。
遺体は解剖されず、死因は「突然死」とされました。
大学からは「落ち度はなかった」として、両親に十分な説明はなかったといいます。
「コーチは引き揚げたときから『呼吸はしてないし、脈はなかった』と。
現実は(脈は)計られていない。後であがった学生がみたところ『脈はあった』と」(父親・猛さん)
両親が現地で入手した救急隊の書類には「溺死」と書いてあります。息子の死は「突然死」ではなく「溺死」ではないのか。
「前に行かないですよ。気持ち切り替えることができないですよね」(父親・猛さん)
「真実をつきとめたい」。両親は28日、体調管理や救助体制の整備などの安全管理を怠ったとして、
大学側を相手取りおよそ9500万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こします。
日体大は、「現段階では提訴されるという報道のみで、コメントできません」としています。
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