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駅の隅にぽつんと立っている白いポスト。「青少年の健全な育成に尽力」という目的が
あることをご存じだろうか。子どもに見せたくない「有害図書」を捨てる場として世に登場して、
この４月で満４０年を迎える。わいせつな画像はインターネット上でいくらでも手に入る時代。
「わいせつ」の概念も時代とともに変わりつつあるが、捨てられる本はなくならず、役目は
果たし続けている。（石井潤一郎）
ポストは高さ１１０センチで、正面に横２２センチ、縦４センチほどの投函（とう・かん）口が
ある。郵便ポストとよく似た形をしている。「悪書追放にご協力下さい」と青い文字で記さ
れている。
わいせつな写真や漫画が掲載されている雑誌や書籍を青少年の目に触れさせずに
捨てる場として登場したのは１９６８年のこと。日活ロマンポルノが登場する３年も前、
漫画と言えば、「巨人の星」「あしたのジョー」だった頃である。
最初は県内の主要な駅周辺の３７カ所に設置された。法人、個人で組織する青少年育成
山梨県民会議が管理している。現在では１７市町の計５４カ所に設置されている。大人が
車内で読みふけった雑誌を捨てる場所と想定しているから、駅構内とその周辺が多い。
県民会議の事務局が置かれている県青少年課によると、このポストに捨てられる有害図書は
今も多い。９５年度１年間では５７６冊で、００年度は５３０冊とほぼ横ばい。最近では０５年度は
８１６冊、０６年度には１２０５冊となり、０７年度は１１月までの集計で１１７９冊になる。
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