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★「漁船見えないわけがない」僚船乗組員ら怒りの証言
「清徳丸」の船尾付近では海上保安庁による捜索が続く(19日) 国防を支える最新鋭艦が、
なぜすぐ近くの漁船を見落としたのか。千葉県の房総半島沖で19日早朝に起きた海上自衛隊の
イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故。
防衛省が「調査中」を繰り返す中、清徳丸の僚船の乗組員たちは「イージス艦がまっすぐ走ってきた」
「相手から見えないわけがない」などと怒りに震えながら、事故前後の様子を証言した。
清徳丸の親子2人の行方は依然不明で、地元の千葉県勝浦市では、家族や仲間が生還を祈って、
真冬の海に必死に手を合わせていた。
「こっちの船がよけるんじゃないかと思っていたのか、ほとんどまっすぐ走ってきた」
清徳丸が所属する新勝浦市漁協では、事故当時、現場海域にいた僚船のうち「金平丸(きんぺいまる)」の船長、
市原義次さん(55)らが19日夕、記者会見に臨み、イージス艦の回避行動の遅れを厳しい口調で非難した。
市原さんらによると、金平丸がイージス艦「あたご」とすれ違ったのは、同日午前4時すぎ。
市原さんはコースが重なっていることに危険を感じ、回避しようとして金平丸のかじを右に切った。
僚船の清徳丸はその直後に衝突したとみられる。市原さんは、あたごが照明をつけて停船したのも目にしたが、
「自分の船を見て止まったのか」と思って、衝突が起きていたことに気づかなかったという。
そのまま三宅島方面に向かって操業していたが、午前6時ごろ、無線連絡で初めて事故を知った。
清徳丸に無線で呼びかけたが応答がなかったため、知らされた位置を確認したところ、ほぼ同艦を回避した
位置だったという。
同席した同漁協の組合長、外記(げき)栄太郎さん(80)も、「漁村始まって以来の大事件。
乗組員の安否を心配している」「ミサイルを撃ち落とす近代的で優秀な船が、こんな小さい船を壊して、
自衛隊はたるんでいる」と怒りをあらわにした。(続く)
讀賣新聞 URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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