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数ある政治家の暴言・失言の中でも、吉田茂元首相の「バカヤロー」と、池田勇人元蔵相の「貧乏人は
麦を食え」は有名だ。吉田氏は1953年2月の衆院予算委員会で、右派社会党の西村栄一氏との質疑
の最中に「バカヤロー」と口をすべらせた
▲首相席に座ったままの不規則発言ですぐ取り消したが、問題は尾を引き衆院解散・総選挙へ
つながった。一方、「麦飯」発言の舞台となったのは50年12月の参院予算委員会。消費者米価引き上げ
をめぐる議論で池田氏は「所得の少ない人は麦を食う、多い人は米を食う」と経済原則に沿った答弁をした
▲だが、これが「貧乏人は麦を食え」という非情発言として曲げて伝えられ、国会史に残る“暴言”となった。
「バカヤロー」は確かに不穏当だし、「麦飯」発言も誤解されない別の言い様があったかもしれない
▲しかし、両氏の発言にはどこか人間くささがある。それに比べると、最近の暴言は浅薄さだけが目立ち、
真剣さや人間味などはみじんも感じられない。鹿児島県議選の買収無罪事件を「冤罪(えんざい)と呼ぶ
べきではない」とした鳩山邦夫法相の発言は典型だ
▲ノンフィクション作家の保阪正康氏によると、戦後政治家の暴言・失言は(1)歴史解釈(2)女性蔑視
(べっし)(3)倫理観(4)虚偽(5)無知丸出し(6)イデオロギー--の6パターンに区分できる
(「戦後政治家暴言録」中公新書ラクレ)
▲その分類でいえば、法相発言は「無知丸出し」ということになろうか。法秩序の維持に責任を持つべき
法務省のトップという自らの立場を全く理解していないとしか言いようがない。言葉の重みを自覚できない
政治家がはびこれば政治の劣化は止まらない。
ソース(毎日新聞・余録) URLリンク(mainichi.jp)