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いったん廃案になった人権擁護法案を、再び国会に提出しようという動きが、自民党の一部と法務省で
活発になっている。党人権問題調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)で、鳩山邦夫法相は
「以前の人権擁護法案は再提出しない。前の法案をベースにせず自由に議論してほしい」との考えを表明した。
だが、そうはいっても、法案そのものの趣旨は、法務省の外局に人権侵害の被害救済を目的とした
人権委員会を設置することにある。法務省が以前に示した原案では、人権侵害の定義があいまいなうえ、
人権委員会は裁判所の令状なしで家宅捜索を行えるなど強大な権限が与えられていた。
これに対し、「言論の自由が侵害される恐れがある」「新たな人権侵害を生みかねない」といった
強い反対意見が党内から出され、法案提出が見送られた経緯がある。
そもそも、警察や検察以外に、人権委員会のような機関を設ける必要があるのか、極めて疑問である。
法務省が平成14年に示した案には、メディア規制条項があり、大半のマスコミの批判はそれに集中
した。このため、17年にその部分を凍結する修正案が示された。
しかし、マスコミだけの問題ではない。人権委員会が設置されれば、政治家や学者を含め、一般国民
の言論活動が制限される恐れがある。例えば、拉致問題解決のために「北朝鮮への経済制裁」を訴える
ことが人権侵害とされかねない危険性が指摘されている。
太田会長は調査会で人権擁護法の必要性について「日本はしばしば、人権を尊重しない国ではないか
と誤解されがちである」と述べた。また、鳩山法相は「子供や老人など弱者への虐待、女性に対する暴力、
学校や職場でのいじめ、障害などを理由とする差別や偏見、同和問題など数々の人権問題がある」と説明した。
そうした問題は存在するが、日本の取り組みが諸外国より遅れているとはいえまい。誤解があるのなら、
誤解を解く外交努力が必要であり、人権擁護法で解決すべき問題ではない。
言論の自由を侵害する危険を冒してまでどうしても成立させなければならない法律なのか。自民党の
推進派と法務省に再考を求めたい。
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