08/02/14 01:10:05 0
すっかりしまい込まれていたはずの法案が再び息を吹き返すのだろうか。人権擁護法案のことである。
メディア規制条項などが批判を浴びて一度は廃案になり、さらに国会再提出の動きも封じられたにも
かかわらず、またもや今国会への再提出を目指すという。自民党の人権問題等調査会が13日、党内
調整に向け本格的な議論を始めた。鳩山邦夫法相は「白紙から出直したい」と意欲を見せ、党の議論を
踏まえて法務省が法案を作り直す意向を示した。
それでも過去の法案がベースになるのは間違いないだろう。私たちはこれまで、法案が想定する
「人権」の範囲があいまいで拡大解釈される恐れがあり、とりわけメディアを規制対象とすることは
表現・報道の自由を著しく制約するとして反対してきた。そうした欠陥が放置されたままでは、新たな
法案ができても到底容認するわけにはいかない。
(中略)
独立行政機関として人権委員会を設置するのが法案の柱になったが、事もあろうに人権委を
刑務所などを所管する法務省の外局に置くとした。法務省人権擁護局の職員を人権委の事務局に
充てようという思惑だが、これでは身内の人権侵害に十分対応できるのか、大いに疑問がある。
また公権力による人権侵害の救済が主眼のはずなのに、法案は報道機関の取材・報道による人権
侵害も同列に救済対象とし、人権委の調査を可能にした。これを許せば取材・報道への威圧となり、
特に政治家や公務員の不正を暴く調査報道には打撃となりかねない。
最初の法案は03年に廃案になり、05年に修正が加えられたが、国会提出は見送られた。各地に置く
人権擁護委員に国籍条項がなく、北朝鮮などの外国人も委員になる可能性があるなどと自民党保守系
議員が反対したためだ。メディア規制条項は残したまま凍結とし、凍結解除には新たな法律を要すると
したが、姑息(こそく)な手段だと反発を招いた。規制しようとの狙いに変わりはなく、全面削除が不可欠だ。
さまざまな論点で批判の多い法案である。なぜ法案が必要とされたのか、今後はその原点に立ち返った
議論を求めたい。
(以下略、全文はソース元でどうぞ)
ソース(毎日新聞・社説) URLリンク(mainichi.jp)