08/02/12 18:51:40 gcn5S7v40
水道哲学
昭和7年5月5日、第1回創業記念式典で松下幸之助が発表した考え方
で、水道の水を譬えに出したことから後年、人々の間で“水道哲学”と呼
ばれるようになった。松下幸之助は式典で以下のように話している。
「水道の水は加工され価あるものである。今日、価あるものを盗めばと
がめを受けるのが常識である。しかるに道端にある水道の水の栓をひねっ
て、あまりの暑さに行人が喉をうるおさんとて存分にこれを盗み飲んだと
しても、その無作法さをこそとがめる場合はあっても、水そのものについ
てのとがめだてはしないのである。これはなぜであるか。それはその価が
あまりに安いからである。なにがゆえに価が安いか。それはその生産量が
あまりに豊富であるからである。いわゆる無尽蔵に等しいがためである。
ここだ、われわれ、実業人、生産人のねらい所たる真の使命は。すべての
物資を水のごとく無尽蔵たらしめよう。水道の水のごとく価を廉ならしめ
よう。ここにきてはじめて貧は征服される」
松下幸之助は、良い生活の必需品を、安く、豊富に生産して、貧をなく
し、生活文化を高めていく、それが産業人の使命だというのである。