08/02/12 18:23:59 0
・未成年の少年少女が斧やナイフで家族を殺すというショッキングな事件が相次いでいる。
最近、事件との関連で注目された「ひぐらしのなく頃に」について、アニメやゲームなどの
サブカルチャーに詳しい東京大学大学院情報学環の吉田正高・特任講師に聞いた。
吉田 「ひぐらしのなく頃に」というのは、もともと「07th Expansion」という同人サークルが
作ったゲームから始まった作品です。2002年夏のコミックマーケットで、第1話にあたる
「鬼隠し編」が発表されたのが最初です。その後、半年に1回のコミックマーケットで1話ずつ
発表されていき、2006年夏の第8話「祭囃し編」で完結しました。
最初の3話目ぐらいまではそんなに話題になっていなかったんですが、4話目が出た2004年ごろ
からネットで注目を集めるようになり、非常に大きなファンのコミュニティがネット上に作られるように
なりました。その後、2006年からは、漫画やアニメ、プレイステーション2へのゲーム移植、小説へと
多展開されて、さらにいろんな層に広がっていきました。
単純にいうと、雛見沢村という山奥にある寒村で、夏祭りの夜を中心に連続怪死事件が
起きていくという推理劇です。前半は中高生ぐらいの男の子や女の子たちの楽しい学園生活の
話だったのが、後半になると一転して恐ろしい事件が起こる陰惨な展開になっていく。古い因習が
残る閉鎖社会の中で猟奇的な事件が次々起きるという点では、横溝正史の「八つ墓村」などの
テイストに近いですね。
―実際にゲームをやってみると、いわゆる「萌え系」の美少女キャラが出てきて、学校でのゲーム
大会とか登下校中の会話とかが延々と続くので、想像したのと違ってびっくりしました。
吉田 そうなんですよ。「ひぐらしのなく頃に」の面白いところは、リアリズムのある狂気とか殺人
みたいなものと、それとは全く違う日常生活というものをうまく結び付けているところです。
実は、ストーリーの大半は、陰惨な事件につながるとは思えないような普通の学園生活の話です。
そこでこちらの感情移入をさせやすくしておいて、終盤にそれをひっくり返していく、という構成上の
面白さがあるんですよね。(>>2-10につづく)
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