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物語日本史 (上) 平泉澄
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第四章 皇紀(下) 讖緯(しんい)の学
秦が滅びて後、天下を統一して大帝国を築いたのは漢ですが、その漢が200年ばかり続
いた後、一応滅びたのを再び建て直したのが後漢の光武帝です。その光武帝が未だ民間人
であったときに、ある人が予言してあなたによって漢の王朝は再興せられる運命にあるといい、
光武帝の奮起を促しました。
この予言が的中したものですから、運命を予言する学問が盛んになりました。これを讖緯の
学といいます。それは人生の出来事、必ず一定の法則に支配せられているもので、決して偶然
に変化が起こるわけではない、その法則を理解し、変化の徴候を掴み、前兆を判断すれば、
前もって将来のことを予測し、正しく予言できる、とするのです。
この学問は、巷間が亡びた後には晋がこれを禁じ、やがて隋も厳しくこれを取り締まり、これに
関する書物を焼き、これを宣伝する者を厳罰に処したために次第に衰えましたが、その衰える
前に、既に朝鮮に伝わり、それが更に海を越えて我が国に入ってきました。