08/02/09 17:12:05 0
(>>1のつづき)
だから、東京や大阪などの大都市中心部に住んでいる人は別にして、郊外や地方都市に
住んでいると、病院に行くにも買い物に行くのにも、車がなくてはどうにもならない。
それが、車が生活必需品になっているという意味である。さらに言えば、一家に一台
どころか、一人一台という家庭もいまや珍しくない。
よかれ悪しかれ、それが全国的に見た基本的なライフスタイルになっているわけだ。
その認識を抜きにして評論することは意味がないのである。
生活必需品であれば、たとえ年収が低くても買わなくてはならない。だからこそ、
年収300万円台前半という年収の層であっても、66%の普及率を記録しているわけだ。
だが、生活必需品でありながら、ここ何年も車の販売台数が減ってきたのはどういうわけか。
本当に若い人たちが車を買わなくなったのだろうか。
結論を言えば、「買わなくなった」のではない。「買えなくなった」のである。いくら生活
必需品といっても、あまりに低所得になると車を買うことはできない。実際、年収200万円
未満の世帯になると、自動車の普及率は35%に激減する。
昨年国税庁が発表した「民間給与の実態」によると、年収200万円未満の給与所得者が
1023万人と、21年ぶりに1000万人の大台に乗せた。こうした低所得層の拡大が、車の
販売不振に結びついているのは間違いない。
それを示す傍証がもう一つある。それは貯蓄率の劇的な減少だ。1970年代に20%台あった
貯蓄率が、ここに来て文字通りまっさかさまに低下。いまでは3%になってしまった。
なぜ貯蓄率が減ったかといえば、日本人が享楽優先のライフスタイルに変わったからでは
けっしてない。そうではなくて、貯金している余力がなくなってしまったのだ。
車の販売台数減少と貯蓄率の低下から、次のようなことが分かる。それは、いままでは
貯金を取り崩してモノを消費していたのだが、とうとう蓄えも底をつき、生活必需品である
車も買えなくなったということである。 (>>3-10につづく)