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★社説:中国食品で食中毒 実態掌握急ぎ再発防げ
まさに「緊急事態」である。中国製の冷凍ギョーザを食べた人が食中毒症状を訴え、
食品から毒性の非常に強い殺虫剤が検出された問題は、強い衝撃となって列島を駆け巡った。
無理もない。事は「食の安全」にかかわる重大問題である。中には一時意識不明の
重体になった女児もいる。秋田市を含め、全国各地で似たような症状を訴える人が確認されるなど、
被害は拡大傾向にある。
販売業者が次々と自主回収に乗り出したのは当然の措置としても、もはやそれで済む話ではない。
なぜ、こんな事態になったのか。まずは原因の徹底究明を急がなければならない。
そのためにも政府は中国に対し、調査員を派遣するなど毅然とした態度を取る必要がある。(中略)
原因は特定されていない。
ギョーザの材料となる野菜に殺虫剤が残留していたのか、
包装紙からも検出されていることを考えれば製造過程に問題があったのか。
それとも意図的に混入されたのか。
この段階で「中国製の食品は危ない」と一概に決め付けることはできない。(中略)
その意味で、現在の検査態勢が十分かといえば心もとない。
輸入食品に対する水際でのチェックは、全国各地の検疫所で行われてはいる。
しかし、すべて検査するのではなく、一部を抜き取る方式。しかもギョーザのような
加工食品に関しては、細かく刻まれた原材料を取り出して検査するのは無理なのだという。
中国側でも、問題の工場のギョーザについては、地元での品質調査に合格すれば
輸出時の検疫などは免除されていたという。これでは「ノーチェック」に等しいではないか。
それにしても、最初に千葉市の家族が異常を訴えてから事実が表面化するまで、
1カ月も経過したのはどうしたことか。この間、千葉、兵庫両県から厚生労働省に連絡はなく、
担当官庁が事態を把握できない状態が長く続いた事実もまた、衝撃的である。
縦割り行政によって消費者への情報提供が遅れ、結果的に被害が全国に広がってしまったことは
深刻な問題である。販売業者の認識の甘さとともに、関係者に猛省を促したい。
秋田魁新報(抜粋) URLリンク(www.sakigake.jp)