08/01/28 21:57:09 0
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― 日本と欧米のモノづくりで、何が一番の違いだとお考えですか。
(シーメンスPLMソフトウェア代表取締役社長)三澤氏:(略)欧米は人材の流動性が高いため
「良い品質の製品を安く作る」のが目的ならば、それができる人材をどこからか連れてくればい
い、と考えるわけです。(略)これに対して日本は終身雇用制によって人材の流動性は低く抑
えられてきましたから、モノづくりのプロセスを改善して現有のリソースでどれだけ「良い品質
の製品を安く作れるか」を追求してきました。(略)こういったモノづくりに対するアプローチの
違いは、そもそも人材の流動性に起因したわけです。
(略)
― (略)日本人のモノづくりは「擦り合わせ(インテグラル)型」、欧米は「組み合わせ(モジュ
ラー)型」という論考もあります。
三澤氏:(略)アンケートを取ると、日本は「製品訴求力向上」を第一に考えるのに対して、欧
米は「開発期間短縮」を最優先に考えているというデータが出ます。(略)ところが明らかに日
本の人口は減っています。優秀な技術者はどんどん退職していきます。理系離れなどといわ
れるように、若い世代にとってエンジニアの人気は落ちる一方です。つまり、プロセスで品質
を作り込むというアーキテクチャ論の土台となっている環境(優秀な人材は大勢いる)は崩れ
始めているのです。(略)アメリカの製造業も、同じように人材不足に直面(略)そこでどんど
ん部品のモジュラー化を進めて、いってみれば二流の人材でも一定の品質でモノをつくれる
ように環境を変えていったのです。
(略)
― モノづくりのアウトソース戦略でも、日本メーカーは独自路線に固執しているようです。
三澤氏:日本メーカーがR&Dの国際化に消極的である最大の原因は、技術流出への警戒が
強いからです。(略)日本では長い期間、人材の流動性が低い環境でモノづくりを進めてき
ましたから、まさかこの社員は辞めないだろう、まさかライバル企業に引き抜かれたりしない
だろうと安心していたわけですが、最近になってその「まさか」が頻繁に起こるようになりまし
た。(略)そこで必要以上に日本人で固めたり、自前主義に走ってしまう傾向にあります。(以下略)