08/01/28 14:47:24 0
・ハクチョウなどでにぎわう渡り鳥の飛来地で、鳥インフルエンザ感染のきっかけになることを
恐れ、餌付けを禁止、自粛する動きが広がっている。
毎年300羽前後のハクチョウが飛来する秋田県大館市の長木川。川沿いの白鳥広場に
この冬、4、5メートル間隔で餌付け禁止を呼びかける看板が設置された。同市は比内地鶏の
産地。渡り鳥のフンに含まれるウイルスが靴などに付着し、人が運び役となって比内地鶏に
感染する危険があるとの理由からだ。
市に餌付け禁止を求めた養鶏業者は「昨年の偽装問題でただでさえ評判が落ちている。
インフルエンザまで出たら、もうやっていけない」と訴えるが、広場近くに住む年配の男性は
さみしげだ。「うれしそうに餌付けする子供たちの姿を見るのが楽しみだった。なにも禁止まで
しなくてもいいのに……」
1万羽近いハクチョウが羽を休める全国屈指の飛来地、山形県酒田市の最上川。地元の
市民団体「酒田市白鳥を愛する会」に、市が餌付け自粛を申し入れたのは昨年。手から
直接餌を与えないことや、餌付け後に手や靴を洗うといったルールを徹底することで
落ちついたが、40年以上も餌付けを続けてきた同会の碇谷(いかりや)啓二会長(79)は
「ハクチョウとのふれ合いを敬遠する動きにならなければいいが」と懸念する。
岩手県でも昨年暮れ、養鶏16業者が地元紙に餌付け自粛を求める意見広告を掲載。
滋賀県では、ホームページを通じ、琵琶湖などでの餌付け自粛を呼びかけている。
こうした動きに理解を示すのは、京都産業大の大槻公一・鳥インフルエンザ研究センター長。
「餌付けが原因で感染する可能性はありうる。生態系の観点からも、野鳥への餌付けは
必ずしも良くはない」とし、「かわいがる気持ちはわかるが、死活問題に直結する業者の
立場を踏まえ、餌付けの意味を考え直す必要がある」と指摘する。
日本野鳥の会自然保護室の金井裕主任研究員は「感染の危険性があるのは事実で、
理屈や不安は理解はできる。しかし、管理者がふんの掃除を徹底したり、行政が餌付け後の
衛生を呼びかけたりして対処すべき問題。禁止や自粛は筋違いだ」としている。(一部略)
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