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★対テロ新法成立 再議決に国会の策の貧困を見る
ねじれ国会の秩序を占う意味でも注目された新テロ対策特別措置法はきのう
参院が政府案を否決したあと、与党が衆院で再議決、成立した。
昨年十月で途絶えたインド洋での海上自衛隊の給油活動が、2月中旬にも再開される。
だが、憲法とのからみや国際貢献のあるべき姿といった国の根幹にかかわる問題が、
こんな形で決まっていいのか。
参院での採決は法案送付からちょうど60日目。再議決要件である参院の「みなし否決」を
ぎりぎりで回避したとはいえ、国会再延長の末であり、実態は限りなくそれに近い。
再議決自体は憲法で規定された手続きにはちがいない。ただ最終的にそこに至る
としても、与野党が粘り強く合意点を見いだす努力はもっとできたろう。時間は十分あった。
ところが安倍晋三前首相の退陣や小沢一郎民主党代表の辞意騒動で国会は空転。
新法案の提出も旧法失効の間際だった。
自民、民主の党首会談で唐突に大連立を模索した一方、政策協議はない。
ねじれ国会の展望は開けないまま解散含みで通常国会になだれ込む。
こうしてみると再議決は与野党の策の貧しさが招いたと思えてならない。
衆院での再議決は半世紀以上なく、今回と同じ参院の否決案件は1951年の
モーターボート競走法だけだ。それもサンフランシスコ講和条約締結の陰で関心は低く、
再議決も形式的な起立採決だった。対テロ新法の重みとは比べられない。
だが国会審議は前防衛事務次官の汚職などで紛糾、本質部分の論議は深まらなかった。
それを最後は数の力で押し切るのが再議決だ。国民に丁寧に説明して理解を求める
責任を投げ出すことになりかねない。
しかも与党の衆院議席は郵政民営化一点で膨らんでおり、給油継続に賛否が二分された
世論とは隔たりがある。その民意を差し置いて「対米公約実現」というのも本末転倒だろう。
福田康夫政権には予算関連法案が次の正念場となる。今回を前例に再議決を繰り返すなら、
強行採決を乱発した前政権と変わらない。参院に託された民意も踏みにじる。
重い十字架を背負った自覚が欠かせない。 (以下略)
愛媛新聞 URLリンク(www.ehime-np.co.jp)