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胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌が作り出す「CagA」と呼ばれるたんぱく質によって、
がんが発症することを北海道大の畠山昌則教授(分子腫瘍(しゅよう)学)の研究チームがマウスを
使った実験で証明した。ピロリ菌が直接、生物の体内でがんを引き起こすことを確かめたのは初めて
だという。全米科学アカデミー紀要(電子版)に8日発表した。
研究チームは、全身の細胞でCagAを作るよう、受精卵の段階で遺伝子操作したマウスを222匹
作った。うち2匹は約1年半後には胃がんを、4匹は小腸がんを発症した。さらに、17匹が白血病などの
血液がんを発症し、CagAが胃がん以外にも関係する可能性も浮かんだ。一方、通常のマウス100匹も
観察を続けたが、がんは発症しなかった。
実験では、マウスの体内で「SHP-2」という酵素に関係した酵素が異常に活性化していることも判明。
一方、CagAとSHP-2が結合できないようにしたマウスでは、がんは発症しなかった。
畠山教授は「ピロリ菌に感染した人すべてが胃がんになるわけではないが、除菌の有効性を示唆する
結果だ。SHP-2を標的にした治療法の確立も求められる」と話した。
ソース URLリンク(mainichi.jp)