08/01/07 03:02:56 e5v3pEd70
>>158
↓ここにこういう洞窟や導水管専門のダイバーの話が載ってる
URLリンク(homepage2.nifty.com)
(水力発電所の水で満たされた導水管の点検をする話)
何の目標も、ホースもない、ラインも引いていない状態でトンネルに入ると、どちらが出口か完全にわからなくなってしまうことがある。
暗くて、視界の良くない水中では、直径3m以上のトンネルは、ただの壁に見える。壁に手を触れながら泳いで行くと、
どちらが出口かわからなくなる。先端に向かって太いホースに沿って泳いでいても、はてな、と思うことがある。
これで先端に向かっているのだろうか、それとも後戻りしているのだろうか。チョークで矢印を付けながら進む。
自分で書いたその矢印も、この矢印は、入り口に戻る矢印だろうか、先に進む矢印だろうか疑いだしてわからなくなる。
これがパニックの典型だ。20mごとにマイクとスピーカーがあれば、水面に呼びかけて、確認することができる。
竜泉洞でも沼沢沼でも活躍した、鶴町と井上が入社したばかりの時だった。長野の山の中にあるダムのトンネル調査に、
ある会社の手伝いに出したことがあった。まだ、プロになりきっていない大学を出たばかりの彼らであった。
彼らに年配のダイバーを加えて3人でトンネルに入った。水面の監督との間はロープで繋いでいた。無事に作業を終えて出てきたが、
トンネルの中に工具を忘れた、ちょっと取って来ると言って、年配のダイバーがトンネルに戻っていった。
これがトンネルや洞窟死亡事故の古典的パターンなのだが、若い二人にはその知識がない。奥に戻ったダイバーはそのまま帰らなかった。
何分待っても帰えらないので、ロープを身体に結び付けて、彼等が捜索に向かった。入り口から30mほどのところで沈んでいて、
息を吹き返すことは無かった。多分、どちらの方向が出口なのか分からなくなったのだ。