08/01/06 21:24:34 ZMWuyfoBO
試しに、フィルムケースを湖面に浮かべてみた。右から左に流れる。
何度やっても同じだ。間違いない、この地底湖はどこかの水脈に続いている。
ということは湖に潜って泳いでいけば、ひょっとして脱出出来るかもしれないということだ。
でも、出口まで息が続かないかもしれない。
途中の通路が細かったりなんかしたら、もうだめだ。
やっぱり俺が生きて帰れる可能性はゼロに近い。
しかし、愛する妻と息子のためになんとしてでも帰らねばならん。
俺は一か八かに賭けることにした。ライトの光が完全に消えてしまう前に決行せねば。
万が一のときのために、妻と息子に宛てた手紙を書き、フィルムケースの中にしまう。
準備は調った。
俺は呼吸を整えると、冷たい地底湖に身を沈めた。