08/01/06 09:19:44 yaV9l/wh0
色々批判のあるロールズの格差原理だが‥
ロールズは正義の原理として
1.平等な自由原理:各人は他の人々にとっての同様な自由と両立しうる最大限の基本的自由への平等な権利をもつべきである。
2.第二原理 ①格差原理:社会的・経済的不平等は社会における最も不遇なメンバーの最大の便益になる場合に認められる。
②機会均等原理:社会的・経済的不平等は機会の均等という条件の下で万人に開かれている地位や職務に結び付く場合にのみ認められる。
を提唱している。
つまり、もし社会的に不遇な者にとって利益にならないような社会的・経済的不平等があるならば,それは政策的に正さなければならない。
才能に恵まれた者は,いわば偶然そのような才能を他の者より多く分配されたにすぎないのだから,自らの能力をおのれの私的利益追求の
ためだけに用いるべきではではなく,不利な立場にある者の悲惨な状況の改善のために積極的に用いるべきである。個人の才能は,
社会全体の共通資産である。社会という一種の共同事業に参加するすべての市民は,この共通資産から適正な再分配を受ける資格をもつ。
とはいえ、格差原理が分配に際してすべての市民の間に絶対的な経済的平等を達成することを求めているわけではない。
ロールズは,社会的・経済的不平等が存在することが,かえって社会的な公正の観点からみて望ましい場合があることを認める。
ロールズが出した例ではないが,たとえば医師や弁叢士のように専門性も高く,かつ公共性の高い職業につく者が相対的に
高い給与を保障されるのは,彼らの活動が社会的に恵まれない者の利益になる可能性があるかぎり,必ずしも不合理ではないとしている。