08/01/05 16:13:20 u/V8yHT90
うちは親戚一族で中規模の洋菓子メーカーを経営しています。
当然、クリスマスは親戚家族総出で製造、販売にかかりきりになり、
とても子供たちと世間並みのクリスマスイブを楽しむなどということは
不可能です。
そのぶん、お正月は親戚5家族が創業主曾祖父の邸宅にあつまり、
ゆっくり楽しく、かつ豪勢にお祝いをします。私も、妻と小学五年生の
娘をつれ、会合に参加します。
親戚全部で12人の子供たちも、この元旦の集いをとても楽しみにしています。
おいしいものや、いとこたちに会えるのももちろんですが、一番の
楽しみは、今年80歳になる曾祖母が、お年玉とプレゼントを一人一人に
配るからです。クリスマスがないぶん、お年玉のほかに、プレゼントを
もらえるのです。曾祖父母も、仕事を引退してからは、孫、ひ孫たちに
会えるこの日を、一年で一番楽しみにしています。
私の娘も、かねて曾祖母にお願いしてあった大きなフランス人形をもらい、
おおはしゃぎでした。もらうなり、抱っこして部屋を走りまわっています。
そうするうちに娘は、人形が着ているドレスの背中の裏にタグを
発見しました。娘は無邪気にそれを読んで叫びました。
「あ、これ、中国製だ」
その瞬間、なごやかだった場の雰囲気が、一瞬にして凍り付きました。
私の妻はあわてて娘をしかりつけます。「こら、そういうことを
言うんじゃありません!」