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はしかや小児の気管支ぜんそくなど、さまざまな病気の治療に使われた旧ミドリ十字(現・
田辺三菱製薬)製の血液製剤「人免疫グロブリン」から、C型肝炎ウイルスが検出されたこと
が28日、長井辰男・北里大名誉教授(法科学)の研究で分かった。
薬害肝炎問題を受け、厚生労働省は過去に製造された血液製剤すべてについてウイルスが
混入されていないか製剤各社に確認させているが、薬害肝炎の被害者数が拡大する恐れも
ある。
C型肝炎ウイルスが検出されたのは、77年製の人免疫グロブリン製剤2本。長井名誉教授
は、約30年前に同社から研究目的で入手して冷蔵保管しており、薬害肝炎問題が浮上した
のを受けて解析した。その結果、C型ウイルスの混入を確認し、国内の検査機関でも再確認
した。このほか、臨床試験用の血液製剤「プラスミン」(76年製)1本から、B型肝炎ウイルス
が検出されたという。
人免疫グロブリン製剤は、薬害肝炎の原因とされるクリスマシンやフィブリノゲンなどと同じく、
血液から赤血球などを除いた「血漿(けっしょう)成分」にエタノールなどを加え、遠心分離を
繰り返して作る「血漿分画製剤」の一つ。両製剤より後に抽出されるため、ウイルス混入の
危険性は低いとされていた。
田辺三菱製薬によると、同製剤は57年に承認された。同じ血液製剤のアルブミンに次いで
国内で使用量が多いものの、同社広報は「国の指示に基づいて調査を進めており、個々の
製剤の調査状況については答えられない」と話している。
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