07/12/21 21:49:31 0 BE:3657964-PLT(16000)
(>>1の続き)
「いくつあるか今、見れば分かるんじゃないんですか?」と
ワゴンを指差して言うと、売り子は困った顔をして答えた。
「ナッツが何粒入っているかは、袋の中を数えたことがないので分かりません」
私は聞き方を変えた。
「ナッツの数ではなく、袋の数です。今、このワゴンに、何袋の、チーズの入ったナッツ菓子が、乗っていますか?」
「4つです」
「じゃ、2つください」
「はい」
私はまるで、外国人にも理解できるよう、日本語を聞き取りやすく発声するようにして喋った。
もし“読解力”とやらがあれば、会話はもっと端的に簡略化できただろう。
やがて、若い女性の車掌が乗車券のチェックに来た。
「乗車券・特急券を拝見いたします」と一人ひとり全員に毎回同じ言葉を発するので、私は、隣の
座席の人がチケットを渡すと同時に、私もチケットを車掌に向かって突き出し、前のめりになって
車掌の目を見続けた。つまり、「わかっています。はい、これがチケット。いちいち言わなくてももう
差し出しています」ということを姿勢と視線で主張したわけだ。
しかし、車掌は私の目を見て言った。
「乗車券・特急券を拝見いたします」
私は、「そやから、出しているやろ!」と叫びたくなるのを飲み込んだ。
(続きは>>3-20)