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米科学誌サイエンスは21日号で2007年の科学進歩ベスト10を発表し、ヒトの遺伝的多様
性の解明の進展がトップ、京都大の山中伸弥教授らと米ウィスコンシン大チームによるヒト
人工多能性幹(iPS)細胞の作成が2位に選ばれた。
iPS細胞は、皮膚細胞に遺伝子を導入するだけで受精卵(胚=はい)から作る胚性幹(ES)
細胞並みに多様な細胞への分化能力が生じる。このため生命倫理問題がなく、再生医療
実現に向けて「科学、政治の両面でブレークスルー(難関の突破)」と評価された。
遺伝的多様性については、日米英中とカナダの研究機関が作成した「ハプロタイプ地図」
などで遺伝子の個人差の解明が進み、2型糖尿病など多数の疾患関連遺伝子が判明。
また、技術の進歩で特定の個人の全遺伝情報(ゲノム)が速く、安く解読できるようになった。
08年に注目されるのは、欧州合同原子核研究所(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器
(LHC)の実験開始や、人工細菌の作成、ヒトの胃や皮膚、口の細菌集団の解明などという。
3位以下は次の通り。
(3) 宇宙線の起源は活動銀河核と判明
(4)医薬品開発に役立つ「Gたんぱく質共役受容体」の構造解明
(5)シリコンを超える半導体新素材開発
(6)コンピューターへの応用が期待される「量子スピンホール効果」確認
(7)ワクチン改良に役立つT細胞分裂の詳細解明
(8)医薬品化合物の低コスト合成法開発
(9)脳の海馬が記憶や想像に果たす役割解明
(10)「チェッカー」ゲーム解明。
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