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神奈川県警幹部まで詐欺に関わっていた霊感商法会社は、若い女性らに関心が強い「ヒーリング」や
「セラピー」などをキャッチフレーズに勧誘を繰り返していた。被害者が続出した背景について、
関係者は、テレビの霊感番組の影響によるスピリチュアルブームがあると指摘している。
神奈川県警が2007年12月20日詐欺の疑いで強制捜査に入ったのは、山梨県甲斐市の有限会社
「神世界(しんせかい)」とその関連会社。新聞各紙によると、同市に本部がある新興宗教団体が
運営しており、心や体に悩みを持つ女性らにカウンセリングやヒーリングサービスをするサロンなどを
全国で約100店舗展開している。
直接の容疑は、関連会社の役員の女(44)が2004年5月、東京・港区赤坂の高級マンション20階に
開設した「びびっととうきょう・青山サロン」で、横浜市内の会社役員男性(44)に霊感商法で約490万円を
だまし取った疑い。女は前月、被害者男性に「あなたの会社は、戦国時代は首切り場だった。処刑された
人の霊が成仏できずにさまよい、運気を下げている」と、200~7000万円かかる特別祈祷を持ち
かけていた。この男性は、その後も支払いを続け、約2000万円もだまし取られたという。
この事件では同時に、被害相談に乗っているリンク総合法律事務所(東京・千代田区)の弁護団が
記者会見した。それによると、「神世界」の関連会社が運営するヒーリングサロンの一つは、「全国で
人気沸騰中!! marvelousヒーリング」とうたったちらしを街頭で配布して、女性客を勧誘していた。
ピンク色で水玉模様のちらしになっており、一見して霊感商法とは無関係に見える。そこでは、
「お体に触れる事なく、体の疲れとココロのストレスをデトックス(毒素排泄)によって解消していく
ヒーリングです」と書かれてある。
コースは、20分3000円、30分5000円と、手ごろな価格設定だ。弁護団によると、最初は店の
スタッフが目をつぶらせたり、手かざしをしたりする。ところが、次第に、病気や人間関係の悩みを
聞きだして、「体の中に毒素がある」などと不安をあおるようになる。(>>2-10につづく)
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