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「もしもし、かばんの中身を見せて」「新宿は犯罪が多いので」―。JR東日本で一日の平均乗降
客数がトップの東京・JR新宿駅。西口地下改札を出ると、二人組の警官が立ちはだかります。
この一年ほど、同駅界わいで警官の職務質問(職質)の乱用が問題になっています。
インターネット上でも「新宿署に十徳ナイフ(ナイフやつめ切りなどが折りたたまれて収納されて
いる)を持っていたので捕まった」「ヨドバシ近辺で、リュックを背負った人だけに職質している」
など多くの書き込みが見られます。
○ 1年半で7回
都内で働く男性Aさん(37)は、この一年半の間に新宿駅周辺と歌舞伎町で計七回の職質を
受け、うち二回はかばんの中に手を入れられました。
Aさんによると「警官が二人組で前を遮り『急いでいる』というと交番にいこう」というのが常です。
かばんの中にあった、ひげそり用のカミソリや、自転車の工具(六角レンチ)について、詰問
されたり、かばんを開けることを拒むと「見せられないのは怪しい」と五、六人の警官に囲まれた
こともありました。
警官の職質の対象は何か―。Aさんが警官に問いただすと…。
警官は、(1)迷彩服(2)鎖やカギをつけている(3)気が弱そう(4)バンダナをしている(5)革製品を
着ている―などの特徴を備えた人に注目。「往々にしてナイフを持っているから」というのが理由でした。
また、警官は「背広を着た人には声をかけづらい。同じ背広を着た刑事の役目」ともらし、
「だんなさんも殺されてからじゃ遅いでしょう」とすり寄ったといいます。
Aさんは日ごろ、頭にバンダナをして一見、“目立つ”いでたちです。「見せる必要もないものを
見せるのは屈辱的だ。人を加害者に見立てたと思えば被害者扱い。むちゃくちゃだ」と憤ります。
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