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坂本龍一、古典~歌謡まで音楽全集全30巻
2008年11月2日
ミュージシャン坂本龍一が総合監修する音楽全集「commmons:schola」の刊行が始まった。
古典から歌謡曲まで、CDと読み物で成る30巻の「音楽の学校」を10年でつくる。世界の音楽を俯瞰(ふかん)する作業への思いは。(編集委員・篠崎弘、西正之)
内訳はクラシックが16巻とそれ以外で14巻。各巻ごとの選者が、解説、坂本との対談、CDの選曲を担当する。
9月末に自ら選者を務めた第1弾の「バッハ」、09年1月には第2弾の「ジャズ」(山下洋輔・選)と続き、年3巻を刊行。18年に完結予定だ。
月刊誌「エンジン」で人生を語りおろす連載も続く。56歳。まとめにかかっているようにも思えるのだが。
「偶然です。でも、スコラは自分から言い出したこと。年は関係あるでしょう。意識したのは50歳を迎えたころかな。夏目漱石が49、松尾芭蕉もそのころ死んだんです」
インターネットの世界に早くから注目してきた。ネット世代を取り巻く「情報の砂漠」の現状を憂う。
「クラシックが格上で、ロック、ポップス、歌謡曲は下という音楽をめぐる古い価値観は壊れた。僕も壊すことを目指したけれど、
行き過ぎの状況になって、何がスタンダードか分からなくなっている。一つの目安を示したい」
バッハで始める理由は?
「僕の音楽体験のスタートだし、バッハで現代の音楽の言葉が始まった。それだけの広がり、普遍性があるから」
次世代に視線を向け、幅広い層に親しんでもらえる作りにしたいという。「浅田彰さんや小沼純一さんとバッハについて、
山下洋輔さんとはジャズをテーマに話し、僕自身も勉強になった。自分の学校のようでもありますね」
■「現状に危機感」
78年のデビューから近年までの坂本作品を、音楽アナリスト山下邦彦氏が分析した『坂本龍一の音楽』(東京書籍)も今夏に出た。
本人が全面協力し、自筆楽譜などを基に対話を重ねた。独自の記号を駆使しつつ、坂本の音楽の核をブルースとフォークという概念で解析した。
その山下氏は、坂本の取り組みをどう見るか。「単なる『教師』を超えた得難い存在。現役の表現者なのに、作品を他人が解剖したものを認め、
一方でバックグラウンドになった音楽についても伝えようとするのは勇気のいること。
自らをさらすのは、音楽を取り巻く現状への、強い危機感の現れだと思えます」
URLリンク(www.asahi.com)