10/07/10 20:40:46 Ce1Z2XXw
『喧嘩芸骨法』
P149
・高校も三年になった春のこと、県下の各高校から十人ほど番長が集まって、『番長会議』を開こうということになった。
ちょうど夜桜見物にいい時期だった。毛氈を敷いて、猛者ぞろいの番長どもが車座になり、一升ビンをかたわらに、
酒を酌み交わしていた。
会議のテーマはその年の総番長を誰にするかというもので、全員一致で私が推挙されたのである。こう言われて、
私もまんざら悪い気はしなかった。
「いいだろう。謹んで総番長の大任を引き受けることにする」
グッと盃を干すと、各番長もそれに従い、番長会議のクライマックスを迎えたそのときだった。例の金次、銀次兄弟の
銀次のほうが近くで花見の宴を張っていたらしく、手下を連れて私たちのほうへいちゃもんをつけてきたのだ。
「おい、このあいだはえらく世話になったな」