09/06/17 05:07:02 8fypzYz+O
712 名前:大人の名無しさん sage 投稿日:05/02/02(水) 18:46:14 ID:jWN7gCbd
俺が小3の時、ガンを患っていた母が亡くなった。
それから父は、俺と当時2歳だった妹の世話をすることになった。
慣れない家事と仕事の両立に父は懸命だった。
当然遊び盛りだった俺も否応なく、家の事を手伝わせられた。
なぜ母を奪ったのかと、ずっと己の不幸を呪い、この世に神様はいないと天を恨んだ。
やがて幼かった妹にも手がかからなくなり、俺は高校へ進んだ。
学費はバイトを始めることで何とかなった。
ところが妹も小学校の高学年に進み、胸が膨らみ始めた。
これまで恥を忍んで妹の下着を買って来た父も、ブラジャーなど買った
ことがあるはずもなく、途方にくれていた。
そんな時、俺にバイト先で知り合った彼女ができた。
事情を話すと、彼女は妹と一緒に下着を買いに行ったり、生理用品の事など
なにかと妹の面倒を見てくれた。
当初戸惑っていた妹も、やがて彼女を実の姉のように慕うようになった。
彼女が遊びに来て4人で食事をしていた時、母が死んで以来やめていた酒を
父が久しぶりに飲んで酔っていたのをはっきり憶えている。
俺は亡くなった母が彼女と俺を引き合わせてくれたのかと、神様に深く感謝した。
母がいないことをのぞいて、やっと普通の家庭とはこんなものなのかと思える日々が訪れた。
そして社会人となった俺は彼女と結婚した。父と妹も、もちろん祝福してくれた。
父は定年退職したが、子会社のちょっとした役職で再雇用して貰えたと嬉しそうに話していた。
そんなある日、高校生になっていた妹が突然交通事故で死んだ。
葬式の数日後、父は会社に辞表を出し、俺は悲しみで何をする気力もなかった。
妻は父と俺のそんな気持ちを察してか、妹の遺品を全て処分しようとして
妹のタンスから最初に買ってやったブラジャーを見つけて、泣き崩れた。
あの日から、俺は神も仏も信じられなくなった。