08/08/23 22:00:30 qEVwPMG3
>>330
”私は、今度の機会に、このレコード(クリュイタンス指揮のレクイエム)をきいてみて、
なるほど見事な演奏だと感心したことは事実だが、それと同時に、この指揮者の剛気で、
明快で、一点のごまかしもない棒の下では、たとえば≪サンクトゥス≫のような、
あのハープの甘い響きをともないながら、合唱が、男声と女声で交誦しあう部分など、
あまりに劇伴音楽じみた、安手の音楽に聞こえてきはしないか?といいたくなった。
それが、フォーレのこのレクイエムの実体に則したものであるのか、それとも、
本来この曲はそういうものではないのか。こういうことは、簡単に言いきってはならないものだろうし、
私はそういうものの言い方には警戒的な人間であるのだが、しかし、この演奏をきいていると、
名演であればあるほど、この点が気になってくるのである。”
(『世界の指揮者』)